sps japan market sales :家具とホルムアルデヒドのお話　その１

家具は主な原材料として合板・ＭＤＦ・パーティクルボードを使用しています。
これらの原材料は、木材および木質を接着剤で固めてつくられております。
これらの接着剤には主にユリア樹脂、ユリア・メラミン共縮合樹脂、フェノール樹脂接着剤が使われております。
これらの接着剤には原料の一部にホルムアルデヒドが使われており、熱圧による硬化時に未反応のホルムアルデヒドが板の中に残留するほか、硬化物も加水分解や縮合反応の進行によってホルムアルデヒドが表面に移動し、板面や木口から空気中に放出されることになります。
これがいわゆるホルマリン臭で、刺激と不快感をもたらす原因です。そして、一定水準以上になると人体への有害性も心配されることから、安全対策が検討されております。

ホルムアルデヒドの有害性と規制値

表１

気中濃度（ppm）	人体への影響	備考
0.03～0.05	目に刺激を感じる	産業医学、30,339～341(1988)より抜粋
0.05～0.13	５０％の人が臭気を感じる
0.41	３０％の人が軽い不快感、眼に刺激、鼻、のどの乾燥を感じる
0.81～1.6	ほとんどの人が眼に刺激、鼻、のどの乾燥を感じる

表２

気中濃度（ppm）	人体への影響	備考
0.8	臭気を感じる	日本科学会誌、防災指針、4～9(1966)
5.0	のどに刺激を感じる
15.0	せきがでる
20.0	呼吸器深部に刺激を感じる

●ホルムアルデヒドの人体に及ぼす影響について個人差がかなりあります。
　上記の表を参考にしてください。

●ホルムアルデヒドの空気中の濃度は通常ｐｐｍで表します。１ｐｐｍは、空気中１立法メートル中にホルムアルデヒドが約１．３ｍｇ含まれていることに相当します。

●日本産業衛生学会では、作業環境における許容気中濃度を０．５ｐｐｍ以下としています。
　居室の気中濃度についてはまだ決められたものはありません。（１９６６）

●ヨーロッパでは居室で０．０５～０．５ｐｐｍ（ＷＨＯのガイドラインでは０．０８ｐｐｍ）、作業環境では０．５～４ｐｐｍ（ＷＨＯの勧告値では０．５ｐｐｍ）の勧告値、あるいは基準値が示されております。

●ホルムアルデヒド濃度の指針値
　建設省・厚生省・通産省・林野庁等で構成された「健康住宅研究会」が平成１０年３月に「設計・施工ガイドライン」を発表して３物質３薬剤の化学物質を「優先取組物質」としてそれを低減させる指針を示しました。ホルムアルデヒドはその中の１つです。
　そのガイドラインでは、室内でのホルムアルデヒド濃度の指針値を平成９年６月に厚生省が示した指針値を目標にしました。世界保健機構(WHO)のガイドラインをそのまま採用してます。
　30分平均値で０．１mg/m3以下　これは室温23度では約0.08ppmに相当する、と説明されてます。

●ホルムアルデヒドの有害性は、このように一般に建物については気中濃度が問題となり、収納家具などについては、さらに二次汚染による転移が問題となります。具体的にこれらを規制することはまだ技術的に難しいため、現状ではこれらに使用される材料に対して基準値が定められております。
　家具関係では、食器棚やタンスなどについてＳＧマーク認定基準、製品安全性ガイドラインにより、使用するパーティクルボードはすべて、ホルムアルデヒド放出量５ｍｇ／L以下（デシケーター法）の品質のものを使用することが規定されています。


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